五感で味わう、産後の癒し。藤東クリニックが贈る、生命(いのち)を育む一皿

新しい命の誕生という、人生における最も神聖な時間。その大仕事を終えたお母様の心と身体は、このうえない幸福感と同時に、深い繊細さの中にあります。そんな特別な時に届けられる食事は、単に空腹を満たすものではなく、心と身体の芯までを優しく癒すものであってほしい。

広島にある藤東クリニックの厨房は、その理想を静かに、そして深く追求しています。そこにあるのは、産後のお母様へ向けられた、どこまでも温かく、澄み渡るような想いです。

記憶に刻まれる、季節を映す空間

院内に併設されたレストラン「Porte Bonheur(ポルト ボヌール)」。その扉を開くと、まず目に飛び込んでくるのは、季節の生花が静かに空間を彩る光景です。旬の花々が放つほのかな香りと優しい色彩は、訪れる人の五感を穏やかに解きほぐします。

これは、食事の味わいを引き立てるだけでなく、院内で過ごす時間の中でも、豊かな季節の移ろいを感じてほしいという願いが込められたおもてなし。美味しい料理を美しい空間で味わう。その当たり前でありながら、最も贅沢な時間が、お母様の心に安らぎをもたらします。

静寂が生み出す、食材との対話

厨房は、清らかな静寂に包まれています。聞こえてくるのは、リズミカルに食材を刻む音、鍋が穏やかに煮える音だけ。料理人たちは、ここでは言葉さえも最小限に留め、ただひたすらに食材と向き合います。

それは、食材の声に静かに耳を澄まし、その生命力を最大限に引き出すための作法。この静寂こそが、お母様の繊細な心身に寄り添う、深く優しい味わいを創り出す源泉となっているのです。

引き算の美学に込めた、無言のメッセージ

お皿の上に描かれるのは、華美な装飾を排した、凛とした佇まいの料理。地元の生産者が愛情を込めて育てた旬の恵みを、その持ち味が最も輝く形で届けます。

そっと添えられた季節の草花が、日本の伝統的な美意識を感じさせる一皿。計算された「余白」は、食欲が万全でない時にもすっと心に入り込み、「美味しそう」と感じさせてくれる不思議な魅力を持っています。それは、「無理なさらないでくださいね」という、お母様の心に寄り添う料理人からの無言のメッセージなのです。

幸福の扉から、未来への祈りを込めて

医療施設として「安全と安心」を揺るぎない土台としながら、退院前には特別な「御祝会席」が提供されます。身体をいたわる栄養バランスに配慮しつつ、人生の輝かしい節目を祝うにふさわしい、心華やぐ一席です。ご家族と共に囲む食卓が、新しい生活の始まりを彩る温かな思い出となることを願って。

レストランの名「Porte Bonheur」は、フランス語で「幸福の扉」や「幸せをもたらすお守り」を意味します。静寂の厨房から届けられる一皿一皿には、お母様と、これから始まる新しいご家族の未来が幸多きものであるように、という静かで深い祈りが込められています。

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