身体と心が共鳴する、「食」という名の静かな祈り。──藤東クリニック『Porte Bonheur』

広島県府中町。
ここに、時がゆっくりと流れる場所があります。

産科・婦人科「藤東クリニック」。
その奥に佇む「Porte Bonheur(ポルト ボヌール)」は、単なる食事の場ではありません。
それは、命を育み、新たな世界へと踏み出す女性たちのために用意された、静謐なサンクチュアリ(聖域)です。

季節を呼吸し、命を愛でる

ここで提供されるのは、空腹を満たすためだけの料理ではありません。
それは、巡りゆく四季の移ろいを皿の上に描き出し、その瞬間の「空気」さえも味わう体験です。

自然の摂理に従い、その時、その場所にあるべき生命(いのち)をいただくこと。
素材そのものが持つ声に耳を傾け、余計な装飾を削ぎ落とした先にある、本質的な調和。

一口運ぶたびに、身体の細胞が静かに目覚めていくような感覚。
それはまるで、食事という行為を通じた、自身の身体との対話のようでもあります。
「Porte Bonheur(幸福の扉)」の名が示す通り、ここでの食体験は、明日への活力という目に見えないお守りを、身体の奥深くに宿す儀式なのかもしれません。

光と空間が織りなす、安らぎの余白

女性のライフサイクルに寄り添うこと。
それは、医療という枠組みを超え、心の在り方そのものを整えることだと私たちは考えます。

だからこそ、この場所には「病院」という緊張感はありません。
あるのは、ホテルのラウンジを思わせる洗練と、窓から降り注ぐ柔らかな自然光。
開放的な空間は、張り詰めた心に「余白」を生み出し、ただそこに居るだけで呼吸が深くなるような、包容力に満ちています。

記憶に刻まれる、家族との食卓

喜びも、安らぎも、誰かと分かち合うことでその深さは増していきます。

当院が大切にしているのは、新しい命を迎えたご家族が囲む、ひとつのテーブルの風景。
「御祝会席」を通して共有される時間は、言葉以上のメッセージを互いの心に残すでしょう。

日常の喧騒から離れ、ただ愛おしい存在とともに食卓を囲む奇跡。
その温かな記憶こそが、これから始まる日々の支えとなり、いつまでも色褪せない「幸福の原風景」となることを願っています。

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